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「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」に向け、まだ語られていないキャラクターたちの想いなどを綴った特別な読み物、「黎明秘話」を公開しました!

今回は、「第5話:空席の玉座」をお届けします。



第5話「空席の玉座」
イシュガルド教皇庁、謁見の間。
その最奥に据えられた教皇の玉座につく者は、もういない。
ひとりの冒険者が千年に亘った竜詩戦争を終結へと導いたのち、イシュガルドの政治は教皇の神権政治から、貴族院と庶民院の二院による共和制へと移行した。かつて限られた者のみが教皇に拝謁したこの広間は、公的な評議を執り行う議事堂へと改められ、今では多くの議員が出入りしている。
そして、フォルタン伯爵家の当主となったアルトアレールもまた、貴族院の議員のひとりとして、その責務を果たさんとしていた。

「では、これより表決を行い、本日の議会は終了とする。
 投票を終えた者から退室してもらって構わない。みな、遅くまでご苦労だった」

黄昏時、石造りの荘厳な室内にアイメリク・ド・ボーレル子爵の声が響く。
貴族院の議長となった彼は、諸外国との公務と並行して、一日の大半を議会に費やしていた。
彼の言葉を皮切りに、議員たちは起立して投票へ向かう。主権が教皇から民衆の手に移ってからというもの、代表者として選出された両院の議員たちは、慣れぬ共和政治に向き合いながら、模索の日々を送ってきた。
アルトアレールもそんな議員たちと共に票を投じ、席を片づけて帰路につこうとしたとき……
彼の瞳に空席の玉座が映った。

そういえば、あの時も玉座は空であったな……

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